原題 | Grassroots Rising |
---|---|
著者 | Ronnie Cummins |
ページ数 | 208 |
分野 | 環境、自然保護 |
出版社 | Chelsea Green Publishing |
出版日 | 2020/02/11 |
ISBN | 978-1603589758 |
本文 | 環境危機が叫ばれて久しい。地球温暖化、異常気象、化学物質による汚染、大量生産と消費経済、各国間の利害の対立など、我々を取り巻く環境は悪化の一途をたどり、なかなか解決の兆しが見えてこない。 筆者は、そんな終末の時代の中を生き抜き、さらには繁栄に向かうために私たちが実際にできることを紹介しながら、世界的な連携の必要性を訴えている。環境崩壊を避けるには世界の人々が現状を認識し、団結して行動を起こさなければならない。 この本はそうした草の根による環境再生運動を構築しより強力に促進していくための計画書だ。消費者の活動、農業従事者による新しい取り組み、政治的変化、環境再生型の財政など、最近提唱されたアメリカのグリーン・ニュー・ディールの内容を具体化したものである。カミンズの主張によれば、解決策は私たちの足元、フォークの先にあるという。カギになるのは崩壊寸前の食料システムを改変することだ。例えば、農地や牧草地を復活させる環境再生型の農業を使えば莫大な量の二酸化炭素を土壌に蓄えることができる。再生可能エネルギーへの転換の推進と合わせれば気候変動を緩和し遅らせるだけでなく地球温暖化への動きを巻き戻すことさえも可能である、と著者は論じている。 サンライズ・ムーブメントやグリーン・ニュー・ディールへの支持の広まりの中、環境再生革命をしっかり組織して実行すればきっと現実的な解決につながっていくはずである。そして2020年の大統領選挙にあたり、意識の高い有権者のみならず、一般人の層にも強い影響を与え、それ以降もこの動きは変わらないだろう。 気候問題に真摯に取り組みたいが何をしたらよいかわからないという人にとっては、環境再生革命が最良の第一歩かもしれない。この本にはその具体的な方策が様々な角度から述べられている。今この世界には暗い雲がかかっているかもしれないが、本書には、もっと明るく希望の持てる未来が示されている。 |