原題 | Russia and the Media |
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著者 | Greg McLaughlin |
ページ数 | 224 |
分野 | 国際関係/メディア/歴史 |
出版社 | Pluto Press |
出版日 | 2020/04/20 |
ISBN | -0745337678 |
本文 | ウラジーミル・プーチンは英雄なのか、それとも、殺し屋なのか。元KGB諜報員という経歴、政権批判者の相次ぐ不審死、米大統領選挙への不正介入容疑……。 プーチンロシアには、きな臭いベールが幾重にもまとう。国際社会からの批判が吹き募るにもかかわらず、約20年にも渡り、世界の大国・ロシアに君臨し続ける第4代ロシア連邦大統領プーチン。その背景にはいったいなにがあるのか。隠された思惑とは。 多民族国家で知られるロシアを統べる政治手腕から、チェチェンに始まるいくつもの紛争問題、かつての冷戦敵対国・米国との主導権をめぐる駆け引きまで。英米それぞれの主要メディアをフィルターに、まとうベールをていねいに濾し、その人物像を浮きあがらせていく。 著者は、旧ソ連時代から長年、ロシアを見続けてきたグレッグ・マクローリン氏。英メディアと太いパイプをもつ同氏が、The Daily Telegraph、The Guardianといった英主要紙はもちろん、The New York TimesやニュースチャンネルFox Newsなど、米国における報道も余すところなく紹介し、あらゆる角度からロシアの真の姿に迫る。それは、日本メディアの報道だけでは決して知ることのできない、いわば「世界」が切りとるロシアだ。 冷酷、殺し屋、野心家。英主要紙がこれまでプーチンを形容してきた言葉の数々が巻末にずらりと紹介されているのも面白い。「核ボタン」を握る人物を示す言葉だと思うと恐怖に駆られるが、本書は最後に、核をめぐる米露の策略に触れ、締めくくられる。果たして、新たな冷戦は幕を開けるのか――。世界のパワーバランスの行方をグローバルな視点で読み解くためにも必読の一冊。 |