原題 | Love Both Keep Both: Passport to Peace, Prosperity and Strengthened Diplomacy |
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著者 | Ken Reiman |
ページ数 | 282 |
分野 | 企業経営、政治、国際関係、国際団体、社会、エッセイ |
出版社 | Indigo River Pub |
出版日 | 2019/10/15 |
ISBN | 978-1950906055 |
本文 | 著者が生涯の目標とするのが日米両国の相互理解と相互発展だ。この絆を強めることによって世界平和に貢献する。 本書は、著者が小学校の子供時代から現在の外交官生活までの軌跡を自叙伝的に記述したもの。 アメリカでの子供時代、小学校の夏休みは3ヵ月。この期間を利用して、著者は毎年、母の実家である日本の学校で過ごした。そして日本語の特殊性に驚嘆する。日本語には相手が年上年下、社会組織内での上下関係等によって、敬語、謙譲語がある。さらには丁寧語もあり。男性と女性でも言葉使いが違う。これが文化の特色となる。 東芝がウエスチングハウスを買収してその経営に失敗した原因は、お互いの文化の理解不足だ。日本のビジネスカルチャーは、組織への強烈なロイヤルティと、全組織べースでのコンセンサス形成だ。コンセンサス形成には何回も会議をして時間がかかるが、意思決定後の実行は迅速だ。アメリカは、リスクテイキングの気概が強く決断が速い。それから個人主義を重視し、従業員のアフタ―ファイブの快適な家庭生活を守ることが大切だ。この違いを相互に理解して経営することが重要であった。 日本の安全保障問題にも言及する。憲法9条問題の混迷、アメリカの軍事力、核の傘によってもたらされている日本の安全等、冷静な目で現実を正確に分析する。日米両国が更なる寛容と相互理解を深め、世界の平和に貢献していくことが著者の強い望みである。著者は、アメリカ国務省の外交官だ。だが、彼の心にアメリカも日本もない。 彼は常に自問する「お前は、アメリカのために死ねるか? もちろん死ねる」、「お前は、日本のために死ねるか? もちろん死ねる」。 そして彼は自分の墓石に、次の文言を英語と日本語で刻むつもりだという。 『ケン・オバタ・レイマン 両国民の大使 100%両国民に忠誠を尽くす』 これが著者の真骨頂だ。 |