原題 | Das Genie in mir: Warum Talent erlernbar ist |
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著者 | Werner Siefer |
ページ数 | 270ページ |
分野 | 脳科学/心理学/脳トレーニング |
出版社 | Campus |
出版日 | 2009/5/11 |
ISBN | 978-3593386959 |
本文 | 脳は、極めて可塑性に富み、才能は学習可能、我々一人ひとりの中に天才が潜んでいる---本書の著者はそう主張する。 著者は、マインドマップの創始者トニー・ブサンの講演を聞いた体験から説き起こし、「天才とは何か」という問題に正面から挑む。著者が考える天才の代表例は、モーツァルトやゴッホのような偉大な芸術家であり、ダーウィンのような不滅の業績を残した科学者である。彼らの生涯を特徴づけているのは、何だろうか? それは、「天才の遺伝子」ではない。むしろ、本物の天才たちは、長年にわたる努力と厳しい鍛錬によって自分自身を形成してきたのだ。 そこで著者は、脳トレーニングの意義を強調するが、これは、最近よく聞かれる「脳トレ」とは異なる。本書が推奨する「脳トレーニング」とは、脳の活動を支える身体的条件を整え、食生活から睡眠習慣に至るまで、健康な生活を実践することである。この「脳トレーニング」を必要とするのは、若年者の脳だけではない。むしろ、中高年になってからの「脳トレーニング」が重要である。著者は、「脳の学習能力は、高齢になっても失われない」と述べ、その根拠として、脳神経学による学習実験と、「高齢者は、能力を保つために、若年者よりもさらに積極的なトレーニングをするべきだろう」という脳科学者たちの見解とを紹介している。 全体として平易な語り口で書かれているため読みやすく、読者は本書の助けを借りて「天才」「能力」「知能指数」などについての先入観を克服し、自分自身の可能性を積極的に開発するためのモチベーションを得ることができるだろう。 |