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原題 白狐
著者 瓊瑤(ケイヨウ)
分野 文学
出版社 湖南文芸出版社
出版日 2018/6/1
ISBN 978-7-5404-8646-4
本文 地方勤務の役人が、ある日山道で狩人に遭遇する。役人は、狩人が捕らえた白狐があまりにも神々しいため、狩人に頼んで逃してやった。後日、役人の屋敷で白狐の眼差しをした美しい娘を雇うことになる。まめまめしく働く彼女を、誰もが「狐の化身」と噂し合い、彼女自身も否定しない。彼女は人か、狐の化身か。その目的とは何か。

この表題作『白狐』を含む6篇の短編小説を収録。女流作家らしく、全編主人公である娘の目線でストーリーを展開しており、基本的にハッピーエンドで物語を締めくくっている。

作者瓊瑤の愛読者は、台湾はもとより中国、香港、更には東南アジアの華僑も含めて中華文化圏全体で数億人と言われており、特に女性読者に人気がある。王朝時代を作品背景にしている本書も、登場人物の人生観が封建保守的ではあるが、当時の雰囲気を楽しめるため、時代小説好きな読者の興味を引くだろう。また、その時代にあっても女性の登場人物が自分の意志で行動していく姿に、読者も自然と彼女たちを応援する気持ちになる。