原題 | The Simpsons: A Cultural History (The Cultural History of Television) |
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著者 | Moritz Fink |
分野 | テレビ/コメディ/アニメ/カルチャー/エンターテイメント |
出版社 | Rowman & Littlefield Publishers |
出版日 | 2019/6/5 |
ISBN | 978-1538116166 |
本文 | 60カ国以上で視聴され、30シーズン・約700エピソードが制作されるという、カルト的人気を誇るアニメ『シンプソンズ』。アメリカのテレビ業界においても、最も長い期間放送されたゴールデンアワーの番組として記録を打ち立てている。 スプリングフィールドという架空の町に暮らす中流階級のシンプソン一家の日常を舞台としたこの作品は、典型的なアメリカ人を描くとともに、独特なブラックユーモアを用いてアメリカにおける社会や文化を批判もしている。それが世界的な人気を得た理由なのではないかと著者は指摘する。最近では、ドナルド・トランプが大統領になり、アメリカの経済・社会情勢が著しく落ち込むというエピソードが2000年に放送されていたことから、「『シンプソンズ』はアメリカの未来を予測していた」と話題になったことも記憶に新しい。 本書は、『シンプソンズ』に関する文化分析を行う。第1章は『シンプソンズ』に影響を与えた作品、マット・グローニングをはじめとした製作者、スポンサーについて書かれている。第2章ではシンプソン一家を含むスプリングフィールド在住のキャラクターたちや、このアニメが西洋の文化史に残る存在となった理由を分析する。第3章では、『シンプソンズ』の芸術的価値、および作品が世界に与えた影響を考察する。 『シンプソンズ』をそれほどよく知らない人も、全てのエピソードを視聴している大ファンも同様に楽しめ、現代ポップカルチャーについて知ることができる内容となっている。 |