原題 | RHS The Secrets of Great Botanists: and What They Teach Us About Gardening |
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著者 | Matthew Biggs |
分野 | ガーデニング |
出版社 | Mitchell Beazley |
出版日 | 2018/104 |
ISBN | 978-1784724979 |
本文 | 世界中のさまざまな時代の植物愛好家やガーデニングの先駆者たちを35名取り上げて、彼らの発見や植物と向き合った人生の物語を紹介する。植物を専門とする学者もいれば、ガーデニングを趣味とする著名人もいる。共通するのは、植物への熱意。紀元後1世紀から現代に至る年代順に彼らの物語をたどることで、読者は植物の魅力を再確認することができる。 例えば「薬草学の父」と呼ばれるペダニウス・ディオスコリデス(AD40~90)は、ローマ軍の軍医として各地を旅する中で、さまざまな種類の植物を観察し、記録したことで知られている。本書では、彼がまとめた『薬物誌』について詳しく説明し、ほおずきの枝を鎮痛剤に、実を利尿薬として処方したことなどが紹介される。 35名のパイオニアたちは、それぞれのやり方で植物についての知識を深めた。本書では、一人一人の説明の最後に「Inspiration for Gardeners(ガーデナーへのインスピレーション)」として彼らの発見を紹介している。じつに多彩な植物が登場し、専門的な内容も多いため、本書の読者層は植物の知識をある程度持った愛好家が想定されるが、そうした読者にとっては興味深い内容にちがいない。先人たちの偉大な発見の数々は、好奇心が掻き立てられる。 全体を通じて植物の美しい写真とクラシックな挿絵が掲載され、飽きることなく楽しめる。植物とガーデニングに関心のある読者のための教養本である。 |