原題 | Neuroteach: Brain Science and the Future of Education |
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著者 | Glenn Whitman, Ian Kelleher |
分野 | 教育、脳、心理学 |
出版社 | Rowman & Littlefield |
出版日 | 2016/6/23 |
ISBN | 978-1475825343 |
本文 | 教師は、生徒の脳を変える(Teachers are brain changers.)。本書は、研究に基づいて理論的に確立された方法を学校や教室、個々の生徒との関係のなかで実践するための手引きだ。著者らは従来の教育現場では見過ごされてきた脳のはたらきに注目。短期・長期の両方で、脳がどのように情報を受け取り、ふるいにかけ、学習を強化・応用していくかについて述べている。 教師だけでなく生徒も偏桃体などの脳の構造について知ることで、学習が効果的になる。努力して学習すれば脳を変化させられる――教師がこの事実を生徒に示すことで、生徒は自分の能力を信じることができる。これが、実際に脳の変化につながる。 感情は学習と一体のものだ。教師は、学習中のストレスを調整するなどして生徒の感情にも気を配ることで学習効果を高めることができる。また、著者は、宿題についても教育課程ごとに考察し、実践的な方法を紹介しているほか、形成的評価、360度評価、テクノロジーについても言及。各章ごとに内容を振り返るのための質問が設定されているほか、自己チェック用のページもあり、読者が理解を深め、実践するための工夫がなされている。 本書は、教師が教室で何をすべきかだけではなく、複雑な学習科学をよりよく理解する手助けとなる。「学習する器官」である脳を理解することは、現場で活躍する教師にとって不可欠だ。 |