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原題 The Happy Human: Being Real in an Artificially Intelligent World
著者 Gopi Kallayil
分野 自己啓発
出版社 Hay House
出版日 2018/9/11
ISBN 978-1401946227
本文 本書の著者ゴーピ・カライルは、わたしたちにとって当然なのは人間であることであり、100パーセント自分自身であること――本当の自分を楽しみ、それを表現すること――がしあわせへの鍵だという。ヨガや瞑想が、深い喜びの感覚を養ったと同時に自分の経験をすべてそのまま(失敗さえも)受け入れることにも役立っているというゴーピは、自分の体験を軸に話を展開していく。バーニング・マンで音痴ながらも人前で歌ったこと、プールや湖でしか泳いだことがないのにトライアスロンに挑戦しておぼれかけたこと。恐怖心を感じながら、失敗しても何かを学び、前進してきたこと。失敗がなければ今の成功はなかったと語る。グーグル成功の理由のひとつも、彼らの失敗しようという意欲にあるという。失敗してばかりだが、失敗することで学び、経験を積み、それが成功につながっているのだと。

しあわせのパズルを解く3つのピースとは、(1)意味と目的を見つける、(2)自分の物語を書き直す、最後に(3)自分の人生を、自分自身に満足して全力で生きる。各パートでは、ゴーピ本人の話のほか彼が旅先や仕事で出会った人々のエピソードを交えて、しあわせの様々な要素、わたしたちを人間たらしめているもの、ゴーピが私生活でも仕事でも成功し、しあわせでいるのは何故なのかが読みやすい言葉でユーモラスに語られる。読み進めるうちに、自分に気づき、人生を満喫する力を取りもどし、自分自身であることに100パーセント満足することになる。つまり、ハッピー・ヒューマンになれるのだ。

しあわせになるためには、自分自身を変えなくてはならない。大昔からそうであり、今現在もそうであり、100年後も同じだろう。「しあわせとは感覚ではなく、わたしたちが身につけて育むことのできる能力なのだ」というのは、作家であり仏教の瞑想を説くシャロン・サルズバーグの言葉。このプロセスを少しでも加速する役に立てばと、ゴーピは本書を執筆したそうだ。ヨガの話もあるが、けっしてヨガや瞑想を勧めるものではない。自分の考え方を「しあわせ」にチューニングする方法を示す内容は、大げさでなく、誰もがすぐに実践できて一度身につけてしまえばその価値は不変だ。なんとなくもやもやを抱えたまま日々を送る人々に薦めたい一冊だ。