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原題 Around the World in Eighty Wines: Exploring Wine One Country at a Time
著者 Mike Veseth
分野 お酒/旅行
出版社 Rowman & Littlefield Publishers
出版日 2017/11/1
ISBN 978-1442257368
本文 なぜワインなのか? その答えを探しだすため、著者のマイク・ヴィーセスが、ジュール・ヴェルヌの小説『80日間世界一周』になぞらえて80本のワインを集める世界旅行に読者をいざなう。

旅の始まりは、『80日間世界一周』の主人公、フィリアス・フォッグの本拠地ロンドン。著者は、まずはフォッグの道程にしたがい、フランスとイタリアを訪ねる。その後は北アフリカを進み、かつてはワインの一大輸出国であったアルジェリアへ。それからポルトガルの交易ルートを辿ってマデイラ諸島に行き、南アフリカでは少し回り道をしてケニアで最も有名なピノ・ノワールを味わう。そう、ケニアにピノ・ノワールがあるのだ。

アフリカを味わいつくしたら、次はアジアへ。バリ、タイ、インドを経て、中国では理想郷といわれる香格里拉(シャングリラ)にも立ち寄る。シャングリラは実在するどころか、そこにはワインがあるのだ。それからオーストラリアへ向かい、タスマニア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチンと巡り、カリフォルニア、シアトルと北上していく。

行く先々で待つのはワインとの出会い。そして、ワインとの出会いは、それにまつわる人々や歴史、政治的背景との出会いでもある。

けっして高級ワインを探す旅でない。むしろワイン未開の地へ踏み入っていく物語だ。小難しさは一切なく、楽しくどんどん読み進められる。ワイン好きなら初心者から上級者まで楽しめるだろう。

本文に登場したワインのリストは、各章末に掲載されている。