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原題 Formerly Known as Food: How the Industrial Food System Is Changing Our Minds, Bodies, and Culture
著者 Kristin Lawless
分野 食品/栄養学
出版社 St. Martin's Press
出版日 2018/6/19
ISBN 978-1250078315
本文 農薬や食品添加物、加工食品の普及により、ほぼ2世代の間に、アメリカ人が食べる食物はまったくの別物へと変貌してしまった。同じ食材でも栄養素含有量が大きく低下したため、アメリカ人の体は内側から大きく変わろうとしている。

よく「動かないから肥満になる」と言われるが、その定説を覆す研究結果もあり、実際は「ジャンクフードを食べたために、だるくて動けなくなる」もしくは「加工食品を食べて太ったために、だるくて動けなくなる」のどちらかであるという。つまり、「何を食べるか」が先なのだ。

かといって、ジャンクフードを食べなければ健康、オーガニックを選べば安全、という単純な話でもない。食品産業は、自然・安全・健康を装ったマーケティングで、巧妙に真実を隠蔽しており、栄養価に乏しい食品が、「オーガニック」などの付加価値を付けて高い値段で市場に出回っている。

もはや、これは個人の責任でどうにかなる問題ではない。人種や貧困の問題とも深く絡む、社会全体の問題であり、生活と経済の構造的な変革と政府による規制が必要だ。本書では、アメリカ人の食と健康の問題について、文化、栄養、人種、ジェンダーなど、多角的な観点から包括的に分析する。