原題 | Acid Trip: Travels in the World of Vinegar |
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著者 | Michael Harlan Turkell |
分野 | 料理/健康 |
出版社 | Abrams |
出版日 | 2017/8/8 |
ISBN | 978-1419724176 |
本文 | 酢が過小評価されている?? 酢がなければ甘酸っぱさも出せないし、フランス料理のブールブランやベアネーズソースだって作れない。どこの家庭にも必ずあるし、世界中の料理に欠かせない。けれど、どこか存在感のない調味料、それが酢だ。 酢はワインと似たような歴史をたどっている。最初の酢として確認されているのは、なんとメソポタミア文明のバビロン。イチジクやザクロからワインが作られ、その残った果肉を更に発酵させて「飲むお酢」を作っていたという。その当時から酢は食物の保存にも使われていた。 最近では、工場で大量生産された質の良くないワインを材料に、本物の酢に似せるために薄めたり濃くしたり着色されたりすることも多いが、いまだに昔ながらの製法を守って作られている酢もたくさん存在する。例えば、日本の職人技が光る江戸前ずしに必須の「赤酢」や、じっくりと伝統的な方法で熟成させるイタリア・モデナ地方のバルサミコ酢などはその筆頭だ。また、リンゴ酢を使ったオーストリアのザワークラウトに、白ワインビネガーをちょっと垂らしたフランスの目玉焼き、バルサミコ酢から作ったチェリーシュラブを添えたイタリアのパルメザンアイスクリームなど、世界には酢を使ったさまざまな料理がある。 「ワインのあるところにビネガーあり」と、ワイン評論家の妻とともに酢の歴史や種類、製造法を探る旅に出た著書の、渾身の一冊。 |