ブックレビュー ブックレビュー

原題 Jefferson, the Army, and the Internet: How to Strengthen National Security, the Economy, and Grassroots Communities
著者 Harvey Meyerson
分野 政治
出版社 John Marr Press
出版日 2016/11/29
ISBN 978-0692799420
本文 国民自身の力による「国造り」の基礎としての役割を担ったアメリカ軍。その忘れられた歴史に焦点を当て、かつてフランクリン・ルーズベルトが行った市民保全部隊を再評価し、2016年の大統領選により、経済の陰で置き去りにされてきた地方の再生が改めて課題として浮かび上がったアメリカに、新たなミッションとして復興部隊(American Resilience Corps)を提案する。このミッションは、現在は過度に一極集中している電気設備を含むインターネットと、デジタル産業のインフラを地方の小都市へ分散化することで、サイバーテロや自然災害に強いアメリカを実現するというものだ。アメリカが持つ優れた伝統である市民軍の活動が、アメリカのあり方を変え、他の国々にも大きな示唆を与えるだろう。

骨太で優れた内容を持ち、政策、地方自治などについても新たな視点をもたらす内容で、専門的なレベルでのアメリカ史、アメリカ軍史に関心を持つ層だけでなく、幅広い読者が楽しめる読み物。