ブックレビュー ブックレビュー

原題 F*ck, That's Delicious: An Annotated Guide to Eating Well
著者 Action Bronson
分野 料理/旅行
出版社 Abrams
出版日 2017/9/12
ISBN 978-1419726552
本文 「食は俺のエネルギー」と断言する著者のアクション・ブロンソン。アルバニア出身で料理上手な祖母、多国籍な友人を持つ母、レストランを経営する父に育てられた彼が料理の道に進んだのは当然のことのように思える。しかし、彼の人生は波乱万丈だ。子供の誕生に伴い調理師学校を退学し、暴行事件を起こす。ようやく父親のレストランでのシェフ業が軌道に乗り始めたと思ったら、足を怪我する……それでも彼はあきらめなかった。趣味だったラップで世界に飛び出すと、自分の中にくすぶる食への情熱を発散させるため、世界の食をめぐるドキュメンタリー番組『Fuck, That's Delicious』を始めたのだ。

イスラム教徒の父とユダヤ教徒の母を持つ著者は、常に食に対してリベラルなマインドを持ち、世界中を旅しながらいろいろな料理を試していく。日本では相撲力士とともに「ちゃんこ鍋」を楽しみ、ローマでは胡椒とペコリーノ・ロマーノのみのパスタ「カチョ・エ・ペペ」に舌鼓を打つ。本書では、そんな世界のさまざまなジャンルの食べ物を、自分が感じたままに男らしく説明しつつ、お手製のバーガーや母から伝わるユダヤのパン「ハラー」などのレシピも紹介する。

全編カラーでポップな作りにもかかわらず、男くささ満載の今までにない料理本。ページをめくっていると、世界各国を旅した気分に慣れるのも楽しい。