原題 | Delicious Geography: From Place to Plate |
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著者 | Gary Fuller, T.M. Reddekopp |
分野 | 地理/歴史/料理 |
出版社 | Rowman & Littlefield Publishers |
出版日 | 2017/3/1 |
ISBN | 978-1442245327 |
本文 | 地理学とは、人間が創出する文化の空間分布状況を把握する学問である。この「文化」の代表例は言語と宗教で、フランス語や中国語が話される地域、あるいはイスラム教やキリスト教が信仰される地域を、それぞれ地図上で色分けしようとするのはこのためだ。では、空間把握の重要要素になり得るものは、言語と宗教以外に何があるだろう。例えばフランス人がチーズやワインを楽しみ、フランスパンやカフェオレを日常的に食べたり飲んだりするように、著者はこれを「食文化」だと規定する。 本書では各章の前半部分で、スパイス、カカオ、砂糖といったさまざまな食材を地理や歴史的観点から取りあげ、後半部分で、関連する料理のレシピをカラー写真と共に紹介する。今ではどこにいても手に入るベーグル、エンチラーダ、エスカルゴなどは、数十年前には世界の大部分の人は耳にしたこともなく、まして食卓に上ることはなかった。こうした各国の食文化の世界的な広がりは、人間同士の絆が拡大しつつある良き証左であると言えるだろう。 各章冒頭には、章のポイントとなるクイズが用意され、本文を読み進めれば答えがわかる工夫が凝らされている。楽しみながら、「食」の地理的つながり、分布を発見しよう。 |