原題 | Cat |
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著者 | Katherine M. Rogers |
分野 | 動物/文化 |
出版社 | Reaktion Books |
出版日 | 2006/11/9 |
ISBN | 978-1861892928 |
本文 | 家猫の起源は古代エジプト時代までさかのぼり、紀元前4世紀にはイギリスに、7世紀ごろには日本にまで広まった。元々はネズミを駆除するという実用性から重宝された猫が、フランスの貴族社会でペットとして愛でられるようになったのは17世紀後半のこと。そして、18~19世紀にあらゆる社会階層に浸透し、現在、イギリスとアメリカでは犬を飼う人より猫を飼う人のほうが多いくらいだ。 ペットとしての価値を見出されるずっと前から、猫には何か特別な力があると考えられていた。暗闇のなかを音もなく器用に歩きまわり、飼い主がいても超然として人間に従うことを拒み、どこか不思議な、神秘的な力を感じさせる。はじめは忌まわしいものと考えられたそうした性質が、猫好きにはかえって魅力的にうつった。愛らしくて、ときに凶暴で、情が深く、独立心旺盛で、優美で、素朴で、心地よさそうにしているかと思えば、不可解な行動をとる。ポーやルイス・キャロル、村上春樹といった多くの作家たちも、そんな猫に想像力をかきたてられてきた。 本書で4000年にわたる人間と猫の歴史をたどれば、また新たな魅力に気づくに違いない。 |