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原題 Developing Young Minds: From Conception to Kindergarten
著者 Rebecca Shore
分野 教育/脳
出版社 Rowman & Littlefield Publisher
出版日 2015/9/17
ISBN 978-1607093527
本文 赤ちゃんの脳で何が起こっているのか不思議に思ったことはないだろうか。子どもが生まれつき備えているかもしれない才能をどう育むべきか悩んだことは? そして、なぜ赤ちゃんにはモーツァルトよりもバッハが良いのか。本書を読めば、このすべての答えが手に入る。

著者はまず、子どもには単純なものが良いという一般常識のようなものの真偽に迫る。そして、賢さというのは生まれつき決まっているものではなく、成長する環境や何を学ぶかで変化すると主張し、アートや音楽がどうして子どもに良い影響を与えるといわれているのか、脳の神経ネットワークにどのような影響を与えているのかを、研究資料を交えながらわかりやすく解説。さらに、子どもにはモーツァルトが良いとされていることについても、自身が娘にモーツァルトを聞かせていたことから話を発展させ、研究者に直接その理由をたずねて答えを調べたエピソードが語られる。

本書ではこのように、これまでよく耳にしていた「常識」にメスを入れながら、子どもの成長に本当に必要なものは何なのかを考察していく。