原題 | Distracted: The Erosion of Attention and the Coming Dark Age |
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著者 | Maggie Jackson |
ページ数 | 327ページ |
分野 | 社会学 |
出版社 | Prometheus Books |
出版日 | 2008/6/4 |
ISBN | 978-1591026235 |
本文 | 現代社会は情報の大海。その海で漂いながら、我々は日々、新たな情報を求めている。職場も家庭もネットワーク化され、人と人は、Eメールやネットで常時接続状態にある。一度決めた計画も、変更、変更の連続だ。まさに割り込み重視の世界である。 テクノロジーや科学が進歩する一方で、私たち人間の注意力は散漫になり、使える時間は細切れになり、何にどれだけ関心を持てばいいのかもわからない状態に陥っている。マルチタスクは当然、時間を十分にとって物事を熟考することなど、ますます不可能だ。現代社会では、じっくりと注意を払う能力、つまり、造詣を深め、知恵を絞り、文化を培う能力が失われつつある。 本書は、そうした現代人が抱える問題を明らかにし、スピードが速く、情報過多な世界でも集中力を取り戻す方法があることを教えてくれる。核心となる注意力の仕組みを分析するために使われるのは神経科学---皮肉なことに、これもまた科学の進歩のおかげなのだ。著者はさまざまな人物を取り上げながら、注意力とは何なのか、注意力がなくなるとはどういうことなのかを説明する。焦点・意識・判断の3本柱に注目し、どのようにすればそれぞれのスキルを向上させられるのかも解明してくれる。 後世、「あの時代は、何もかも中途半端な時代だった」と言われないために、まずこの本に集中することから始めよう。 |