原題 | A Most Improbable Journey: A Big History of Our Planet and Ourselves |
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著者 | Walter Alvarez |
分野 | 科学/歴史 |
出版社 | W. W. Norton & Company |
出版日 | 2016/11/15(予定) |
ISBN | 978-0393292695 |
本文 | いま最も注目されている学問分野「ビッグヒストリー」。これは、私たちが身を置く地球や人間社会が、なぜ現在のようなかたちになったのかを、「科学」の力を終結して読み解こうという学問だ。時間軸は、宇宙の創生から現在に至るまでの138億年。西洋や東洋といった地域で区別することなく、もっと大きな視点で「世界史」の解読を試みる。 オーストラリアの歴史学者、デヴィッド・クリスチャン教授が1989年に提唱したこの学問に共鳴した本書の著者アルヴァレズは、自らもカリフォルニア大学バークレー校でビッグヒストリーの講義を行っている。隕石衝突による大量絶滅のシナリオの提唱者として知られるアルヴァレズは、地学を専門としているが、種の絶滅の研究を通して社会史にも造詣が深く、また、隕石衝突の研究を通して天文学にも精通しているため、ビッグヒストリーの語り手にうってつけだ。本書では、バークレーで行っている授業と同様、「宇宙の歴史」「地球の歴史」「生命の歴史」「人類の歴史」の流れに沿ってビッグヒストリーを語っていく。 「歴史に学ぶ」という使い古された言葉も、本書を読めば圧倒的な説得力を持つ。宇宙と地球の歴史は、大量絶滅をともなうような大事件の繰り返しであり、その積み重ねの先に現在の私たちがいる。その視点を持ってこそ、激変する世界を生き延びることができるのだ。 |