ブックエキスポ アメリカ 2007 May 31 - June 3, 2007 Jacob Javits Convention Center, NY, NY BookExpo America 2007アメリカ最大の図書展示会ブックエキスポアメリカ2007(以下、BEA)が、6月1日か ら3日間、NY最大の見本市施設「ジャビッツ・センター」で盛大に開催されました。 主として北米の出版社、著作権エージェント、流通業者、印刷会社、書店、作家な ど、様々な関係者が一堂に会するイヴェント色の濃い図書展です。現地での模様を お伝えします! 会場風景を写真でご覧下さい。 ![]() ![]() 6月1日(金)には、元FRB議長アラン・グリーンスパン氏による基調講演が行われました。 毎年BEAでは著者によるサイン会が大々的に行われ、イヴェントに花を添えています。 一般客が長蛇の列をつくり、お目当ての作家のサインを入手していました 。 ![]() 各出版社は今シーズン一押しの新刊書PRのため、著者を招待し、様々なプロモーシ ョンを行います。写真は連続殺人事件を題材にしたサイコサスペンスシリーズの著 者、チャールズ・ペロー氏 (下・左)。Sterling House Publisherから出版される新刊『THE M AZE MURDERER』のPRを行っているところ。ちなみに本シリーズはテレビドラマ化が決 定しています。 ![]() ![]() 著者たちは、ただ会場でサイン会を行うだけでなく、今回のBEA開催のタイミングを 狙い、アメリカ最大の出版業界紙であるパブリッシャーズ・ウイークリーの表紙に 広告をうちました。その甲斐あって、BEA期間中に取材の申し入れやパーティーへの 招待が殺到、話題作りに成功し、うまく相乗効果を引き出せたようです。 写真は上述のチャールズ・ペロー氏が表紙を飾ったパブリッシャーズ・ウイーリー (上・右) 会場は一階と二階にわかれ、一階には多くの児童書出版社がひしめき合うようブー スを出していました。児童書が出版界全体に占めるシェアは30%を超えるそうで、 これはたいそう大きな市場といえます。著者自ら出版社を設立して出版活動を広げ る例も多くあります。私の知るある著者は、自ら海外版権売買のために東京まで来 て積極的に営業活動を行いましたが、そのバイタリティには驚きました。 最近は日本のマンガが牽引力となって、アメリカの各出版社もこぞってグラフィッ クノベル市場に参入、新たな潮流がおとずれつつあります。韓国マンガもアメリカ でかなり流通し始めていました。 写真はVIZ MEDIAのブース(下・左)とVIZ MEDIA が配布していたSHOJO BEAT とSHONEN JUMPの見本(同・右) ![]() ![]() 小学館、集英社系のVIZ MEDIAは、マンガに続いてVIZ FICTIONというインプリント を立ち上げ、宮部みゆきや市川拓司の小説の英訳版を出ています。 写真は宮部みゆきのブレイブ・ストーリー見本書籍と販促資料 ![]() アメリカでは出版時期を遡ること半年〜一年には季節ごとのカタログで新刊を紹介 し、随時、取次や書店のバイヤーからの注文を受け付けています。 力を入れる新刊は、モックアップと呼ばれる見本を数百〜数千部用意して関係者に 無料で配布、事前注文が取れるよう積極的な販促活動を行うのです。 今回のBEAで話題になった書籍に『IDOLeyes』というのがあります。 全米視聴率No.1の座を保ち続けるオバケ番組、『アメリカンアイドル』をご存知で しょうか。10万人の若者が参加してオーディションが行われ、審査員の情け容赦な いツッコミに観客がどよめき、ハードなコンペティションを勝ち抜いた参加者は芸 能界デビューが約束されるというものです。日本でもCSで放映されて以来、話題に なりました。この『IDOLeyes』は、念願のオーディションを勝ち取った女性が辿っ た運命を、本人が赤裸々に綴ったノンフィクションです。このように、人気TV番組 や、ドラマ、映画とタイインした企画は、視聴者や観衆が読者ターゲットとして見 込めるため、大部数でのスタートが可能になります。 余談ですが、『アメリカンアイドル』という人気番組はアメリカのオリジナルでは なく、イギリスの『ポップアイドル』が元になっているそうです。日本発の『料理 の鉄人』がアメリカでは『IRON CHEF』として人気を博したように、コンテンツの越 境はすでにあらゆる分野に広がっています。 慌しく過ぎた3日間でしたが、北米にも世界のコンテンツが流入し、新たに湧き上が るダイナミズムをひしひしと感じた今回のBEAでした。 Japanese Writers’ House の作品も注目を集め、最近では登録作品に対してのアク セス数が海外から急増しています。 海外からの取材も増えてきましたので、追ってご報告したいと思います! | |
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